うちの事務所には せんたろう というハリネズミがいます。
せんたろうは、ハリネズミなのにハリネズミらしくありません。
ハリネズミ用の餌は食べません。
ハリネズミ用の寝床も気に入りません。
ハリネズミであることを否定して、俺は俺だ!と言わんばかりのロック魂です。
餌はキャットフード、それも☆三ツ星グルメ☆しか気に入りません。
それ以外のキャットフードをあげると、気付いた時には、エサ入れごとひっくり返っています。
寝床もハリネズミ用の寝床砂をしいていると、それを掘り返して硬いプラスチックの上で寝ています。
何ならお気に召してくださるのか、今も頭を悩ませています。
完全な夜行性で、ごそごそしています。
昼間は常にご機嫌斜め。
触れようとでもすると、お湯沸かしポットのごとくフーッフーッっと針をたて、受入拒否の意を示します。
まるで俺は歩くナイフだと言わんばかり、ロックもロック、パンクロッカーであります。
でも、水浴びが大好きです。
水道の蛇口で体を洗ってあげると、打って変わって、とろ~んとうっとりした瞳に。
唯一、体をゆだねてくれる瞬間です。
つんでれの極み。このつんでれに、わたくし今日も翻弄されております。
手のひらにおさまるほどの小さな小さなせんたろう。
一生懸命生きています。